サンプラスチック㈱のブログ

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帯電防止機能ポリエチレンフィルムと導電性機能ポリエチレンフィルムの違いについて。

こんにちはサンプラスチック㈱吉成です。

今日は帯電防止ポリエチレンフィルムと導電性ポリエチレンフィルムの違いについてです。

帯電防止ポリエチレンと導電性ポリエチレンですが、帯電防止ポリエチレンフィルムは、名のとおりフィルム表面に静電気が滞留するのを防ぎます。
導電性ポリエチレンフィルムは、帯電防止機能とは異なりフィルム自体に電気を通す機能となります。

元々、プラスチック(ポリエチレン樹脂)は絶縁素材の為、静電気を帯びやすい性質がありました。
その中で、包装資材として広く使用できるよう考えたとき、静電気による弊害を取り除くことにより、それまでは使うことの出来なかった、精密機械や部品に使用できるようになりました。

帯電防止機能についてですが、古くからある帯電防止剤として、界面活性剤があります。
界面活性剤は、親油基と親水基もつ物質で、親油基で樹脂になじみ、親水基に水分を得る事で樹脂と反発(ブリードアウト)し、水分を含んだ親水基が樹脂表面に被膜し導電性を高め静電気を拡散させる機能になります。
但し、樹脂内に含んだ界面活性剤が全てブリードアウトしてしまうと帯電防止機能が失われます。

近年、主流となっている永久(持続型)帯電防止は、界面活性剤タイプとは異なり、アイオノマー系の帯電防止剤を樹脂に均一に練り込み形成する事により、樹脂表面に導電性を持たせることにより、樹脂表面の静電気の拡散性を高め滞留を防ぐ機能になります。
その為、界面活性剤タイプとは異なり、ポリエチレン樹脂自体の機能(劣化等)を除いた場合、帯電防止機能については半永久的に機能する為、永久(持続型)帯電防止と言われています。

帯電防止機能ポリエチレンフィルムは、外部からの静電気による電気破壊を防ぐ為に用いられることが多い製品です。

導電性ポリエチレンフィルムは、静電気対策の観点からは帯電防止機能と同じですが、樹脂の構造が違います、帯電防止の導電性は機能上のの導電性ですが、導電性ポリエチレンは物性上の導電性になります。よって、ポリエチレン樹脂の中を電気が通る素材になります。

プラスチック(ポリエチレン樹脂)という絶縁素材に電気を通す為に、どのようにするかと言いますと、カーボンブラックを使い樹脂に練り込みます。
カーボンブラックを樹脂に練り込む事により、樹脂の分子と分子の間をぬぐって、カーボンブラックの粒子を結合させて導電性を導きます。
その為、導電性(電気を通す)ポリエチレンフィルムとなります。

導電性ポリエチレンフィルムによる包装は、内容物自体が静電気を帯びやすいものや、粉体等の干渉によっておこる静電気を瞬時に放電する事を目的として使用します。
帯電防止では、防ぎきれない静電気による障害をより強固に保護出来る製品です。

余談ですが、電池のついた基板部品等は、接点が導電フィルムに長期間触れていると放電してしまいます。

通常ポリエチレンフィルムの場合、表面抵抗値が10^13乗~10^9乗程度で帯電(静電)防止、表面抵抗値が10^6乗以下であれば導電性となります。

弊社、導電性ポリエチレン・HL-Bシリーズは、独自製造により10^4乗(測定値)以下と機能的となっています。

弊社HL-Bシリーズ製品は、お客様の大切な製品を静電気から守る為の包装材です。

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